こんにちは。モリタです。
本日はIT業界で中小企業から大手への転職を希望している方に向けて、両方の経験を持つ私の実体験を踏まえながらメリット・デメリットをご紹介します。
最近インフルエンサーを中心にITエンジニアにフリーランスを進める人が増えていますが、できるなら大手での経験はフリーランスになる前に済ませましょう。
なぜならフリーランスエンジニアには、そのあとでもなれるからです。(逆は難易度高い)
実は転職をしながらキャリアアップをするIT業界において、大手企業での職務経歴は次なるステップへの「極上の踏み台」となります。
私の勤める会社は業界大手のひとつですが、ここから外資やコンサルなどに転職して給与アップに成功した先輩をたくさんみてきました。
40代でも普通に転職できる時代なので、自分のキャリアを長い目でみて市場価値を高められる方法について考えていきましょう。
記事の後半では、中小から大手企業への転職活動において、成功確率を上げるための具体的な方法もご紹介しています。
転職活動で気をつけたいポイントもありますので、合わせて参考にしてください。
それではよろしくお願いします。
Table of Contents
大手ITからみる中小企業の魅力
まず最初に大手企業からみた中小企業の魅力をご紹介します。
私はどちらも経験した上で大手企業をおすすめしていますが、中小企業にもメリットはたくさんあります。
このポイントを理解していると、転職活動時の自己PRがより効果的にできますのでぜひ自分自身に当てはめてみましょう。
横断的な知識と経験がある
大手企業では専門分野ごとに部署が分かれており、それぞれ個別のミッションを抱えながら協業しています。
一方で中小企業は一気通貫して同じ人がプロジェクトを担当することが多いです。
たとえばインフラエンジニアの分野でいうと、大手企業ではネットワーク、サーバ(仮想基盤)、ストレージ、パブリッククラウド、セキュリティ、といった専門分野ごとにチームが分かれて案件対応しますが、中小企業のエンジニアはこれを一手に担っていたりします。
技術だけではなく、提案・設計・試験・構築・保守・運用といったライフサイクルにも同様のことがいえます。
私も中小企業のインフラエンジニア時代は、ネットワークとサーバとストレージを設計から運用まで幅広く対応していました。
このように幅広い知識と経験はITエンジニアにとって重要なスキルセットとなります。
現場の構築経験に強い
大きな案件になると上流工程をプライムベンダー(一次請け)の大手が担い、下流工程を中小企業(ニ次請け)が担います。
これをIT業界のゼネコン構造と呼び、よくもわるくも日本のSIerでは一般的な構図になっています。
大手SIerの正社員は技術力がないと揶揄されることもありますが、技術面で手を動かす機会が少ないことがその一因となっています。
中小企業には詳細設計・試験・構築といった現場経験を豊富に積んでいるエンジニアがたくさんおり、そういった分野で能動的に仕事をしている人は大手に入っても即戦力で仕事をすることができます。
リソースが限られていることを理解している
中小企業はある意味でいろいろと資源不足の中でやりくりしているケースが多いです。
検証機器やオフィス環境や人材リソースやお金といった資源は大手の方が充実しています。
大手SIerで環境が整っていても不平不満ばかり言う人はたくさんいます。中小企業出身の私からすると贅沢な悩みだなと思って見ています。
中小から大手への転職のメリット
続いて中小企業から大手へ転職をする際のメリット・デメリットを考えていきます。
たくさんありますのでテンポ重視でご紹介していきます。
専門性を磨ける・先端技術に関われる
大手では専門分野ごとにチームがわかれています。
たとえば特定の製品担当をしたり、コンサルをする能力を伸ばしたいのであれば、大手の専門部署にいくことで経験を積むことができます。
顧客を直接担当するフロント部門だけでなく、商品やサービスを担当するバックヤード部門を担当できるのも大手企業の魅力でしょう。
大手は枯れた技術を採用する?
大手は先端技術への挑戦が遅く枯れた技術ばかり使っているという人もいますがその認識は古いです。
近年のIT業界では新しいことにどんどん挑戦していかなければ生き残ることができません。大手も積極的に変化しています。
新しいことにチャレンジできる大手企業はたくさんありますのでしっかりと探していきましょう。
大規模プロジェクトに上流工程で関われる
中小企業でも上流工程を担うことがもちろんできますが、会社の与信が大きい大手とはプロジェクトの規模が異なります。
1億円の案件を提案から手がけてプロジェクトリーダとして成功する経験は自信にもつながりますし、直接的なキャリアアップにもつながります。
年収が高い・社会信用力が高い
一般的に大手企業は中小企業に比較して平均年収が高いです。
また、社会的与信も高いので、クレジットカードや住宅ローンを申請すると通りやすくなります。
もちろん大手にいくよりも年収をあげる方法はたくさんありますが、再現性の高い方法で年収アップするには大手への転職が手っ取り早いです。
転職(キャリアアップ)しやすい ★最大のメリット
大手企業の最大のメリットは、その後のステップアップ(転職)がしやすいことです。
先に上げてきた専門性を磨けることや、大規模プロジェクトを上流工程でマネジメントする経験はどこの会社にいっても重宝されます。
もちろん席に甘んじて全然スキルアップをしないエンジニアもいますが、向上心のあるエンジニアならスキルアップできる環境は十分にあります。
会社のお金で有料セミナーに参加することもできますし、整備されたドキュメントからインターネットでは見つけられないナレッジ(情報)を探すことができます。
会社を使い倒してスキルアップすることができるのは大きな魅力ですね。
労働環境が整っている
大手はオフィスの机や椅子といった物理的な環境が充実しています。
また、昨今はDXが急速に進んでいますが、顧客にDXを提案するため以前より積極的に取り組んでいる大手企業がたくさんあります。
テレワークができるのは当たり前ですし、ZoomやWebexといったオンラインツールで顧客と打ち合わせをすることも普通になりました。
私はプロジェクトを通じて他の会社の人とたくさん働いてきましたが、いろいろ聞いてみると中小企業ではDXの導入が遅れているのが現実です。
福利厚生が充実しているのもひとつのポイントですね。
中小から大手への転職のデメリット
続いて、中小から大手へ転職をする際のデメリットを考えていきます。
詳細設計・検証・構築の経験が少なくなる
大手SIerでは大規模案件が多く、すべてを自社で回さずに下流工程を中小企業に発注します。
そのため詳細設計資料を作成したり、検証や構築といったいわゆる案件の中で「手を動かす工程」を経験する機会が少なくなります。
実はエンジニアの成長において、検証をやり込んだり緊張感のある現場で構築や変更作業をする経験は重要です。
責任重大な案件が増える
大手にいくと官公庁や大手企業向けの大規模案件を経験することになります。
金融・通信キャリア・社会インフラ・ヘルスケア・官公庁といった、不具合を起こしてはいけない顧客向けのシステムを構築していかなければなりませんので、仕事はいつも責任重大です。
私の知り合いはミスをしてYahooニュースのトップに内容を掲載されたこともあります。ピリピリするような仕事でストレスを抱える人はたくさんいます。
異動の可能性がある
大手の総合職採用であれば、部署異動によって勤務地が変更する可能性があります。
近年は地方への異動を取りやめる企業も増えていますので、この辺りは入社前にきちんと人事担当者にヒアリングが必要です。
出世争い・社内政治がある
大手では必ず出世争いがあります。
自分自身がその競争に参加しないという選択もありますが、競争から降りると将来のリストラ候補として人事でよくない扱いを受ける可能性があるので他人事ではありません。
また、多くの企業は相対評価をしているので他人の評価に巻き込まれてしまいます。
例えば自分が仕事で結果を出していても、ごますりだけで評価される人がいると高評価が得られず楽しくない思いをすることになります。
結局上司ガチャがある
中小企業に比べて組織が大きいのですが、結局一緒に働く上司や同僚は選べません。
組織全体としてホワイト企業だとしても、上司との相性が悪いだけでブラック企業に感じる人もいます。
部署異動の希望をしたときに簡単にさせてくれる会社とそうでない会社があるので注意です。
最近は社内公募を積極的にしている会社もあります。積極的に会社内の風通しをよくしているところを選ぶとよいでしょう。
保守的・スピード感ない
大手企業には保守的な文化が残っています。
サービスが改善されず顧客に提案できなかったり、クレームを受け付けても他部署なので直接改善ができなかったりと、柔軟な対応ができず歯痒い気持ちになることも多々あります。
改善要求をしても決定までのスピード感がありません。
逆に新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった古き日本の労働文化は(良くも悪くも)先に終わりを迎えました。
意見が反映されにくい
組織が大きいと歯車の一つになりやすいです。
会社に意見をしても、その声が届くほどの影響力を持つにはかなり時間がかかると認識しましょう。
影響力を持つためには出世や社内政治も必要です。
大手への転職方法
大手に1番確実に入るためには、すでにそこへ勤めている知り合い経由で「紹介制度」を利用するか、「転職エージェント」を利用することです。
企業のホームページや、転職サイトからの応募は転職の成功確率が下がりますので避けましょう。
知り合いの紹介制度で転職
すでに希望の企業で勤めている知り合いがいれば、その方から会社の紹介制度を利用して転職させてもらう方法が1番確実です。
知り合いから事前に詳しく会社のことについて聞くことができますので、良いところも悪いところも覚悟した上で転職すれば業務に就いてからのギャップも減ります。
企業側も安心して採用することができますので、面接の難易度はかなり下がります。
私も別の会社で一緒に働いていた後輩を、紹介制度で自社に招き入れたことがあります。事前に人事や上長たちへ説明して段取りをしたので、転職前の試験や面接は形式的なもので合格となりました。
準委任契約(SES)で出向していた会社への転職
準委任契約(SES)で出向していた企業への転職もしやすい傾向にあります。
出向先で実力を発揮して、現場の一緒に働く人たちがその働きを評価してくれていれば積極的にスカウトされるケースもあります。
知り合い紹介と同様に、現場で一緒に働く人たちが迎え入れてくれるケースでは転職難易度は低くなります。
もちろん現在所属している会社と、転職先の会社との関係性がありますので注意が必要です。
利益相反など会社の大人たちが気にするポイントがそれなりにありますので、社会人として仁義を通して転職後も働きやすい環境を作りましょう。
転職エージェントの利用が必須
大手への転職には転職エージェントの利用が必須です。大手企業のほとんどは成功報酬型の転職エージェントサービスに登録していますので、そちらを利用しない手はありません。
企業のホームページや転職サイトからの応募ではなく転職エージェントを利用する方法が転職を成功させる鍵です。
IT業界で特におすすめできる転職エージェントは7社です。
転職エージェントなら応募書類の添削から面接対策、企業との日程調整までプロのコンサルタントがアシスタントとして汗をかいてくれます。
1番重要で勇気が必要な「給与交渉」も転職エージェントを介すことによりスムーズに進められます。
できれば2社以上の複数サービスに登録して、自分にあった転職アドバイザーを探しましょう。
【鉄板】ITエンジニアにオススメの転職エージェント7選
エージェント | 特徴 |
レバテックキャリア | IT・Web業界に特化。エージェントの個別サポートが充実。 |
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さいごに
中小企業から大手への転職にはさまざまなメリットがあります。
もちろんデメリットもありますが、IT業界でキャリアアップをしていくにあたり一度くらい働いてみても損はありません。
大転職時代において、大手企業は酸っぱい葡萄のような存在にせず、実際に入って仕事を経験してみればいいのです。
そのあと自分に合ってないと思えば、別の会社に転職するくらいの心構えでも大丈夫です。
大手から別の企業への転職は一気に簡単になります。私の知り合いも40歳以上で転職を成功させている人がたくさんいますので、勇気を出して挑戦してみましょう。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!