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みずほが従業員の3分の2に当たる「1万9,000人」カット
昨日(2017年10月28日)みずほフィナンシャルグループで人員削減と営業店統廃合を行うというニュースがありました。
ロイター:みずほ、10年間で1.9万人削減検討 ITや店舗統廃合で=関係筋
みずほフィナンシャルグループは今後10年間で1万9,000人を削減し、現状の約6万人から4万人規模に移行する検討をしており、IT活用による業務効率化や、店舗の統廃合を進める方針とのことです。
これは欧州をはじめ海外では既にこのような縮退営業の潮流にあり、日本のメガバンクをはじめとする既存金融機関も逃れようのない事象となっています。
銀行のIT活用は1970年代の後半にATMを導入たことを除けばそれほど大きく変わってきませんでした。
近年ようやくオンラインバンクやモバイルバンクが登場してきましたが、フィンテックで銀行業のアンバンドル化を狙うベンチャー企業をはじめ、AmazonやApple、googleなどをはじめとする大手インターネット企業もこの分野に参入し、若者を中心に銀行離れが進んでいます。
消費者の心が金融機関から離れていくとともに、オンラインバンクや、モバイルバンクが登場したことで、物理的にも消費者の足が銀行から遠のいていきました。
支店を訪れる顧客が減ったからといって、支店の維持費とそこで働く従業員の人件費コストはさほど変わりません。
銀行としては支店を維持するコストが次第に重荷となり、今後も閉鎖や人員削減の方針となっているわけです。
欧米のメガバンクでは日本より急速に経営縮小が進んでいる
アメリカでは、バンク・オブ・アメリカの場合、2010年に米国国内の支店数は6052店舗ありましたが、2015年には4787店舗と、実に21%にあたる1265店舗が姿を消しています。ウェルズ・ファーゴやJ.P.モルガンも同様に支店の統廃合と人員削減を行っています。
ヨーロッパでも同様にモバイルシフトが進み、既存の大手銀行は支店が姿を消しています。
英国の大手銀行HSBCでは2010年に1311店舗あった店舗が2015年には964店舗まで減っており、実に5年間で4分の1が閉鎖しました。
ドイツ最大のドイツ銀行は、2015年から2017年にかけて現在ある700支店から最大200店舗統廃合とする計画を発表しています。
スペイン最大のサンタンデール銀行も、2016年中に全3467店舗のうち全体の13%である450を閉鎖する計画を明らかにしていました。
メガバンク経営縮小の背景にモバイル決済の台頭があり
これと反比例してモバイルバンクが普及しており、若者を中心にモバイルシフトの傾向が強まっています。
スマートフォンやタブレット端末の普及により、モバイルシフトは消費者に多大な利便性をもたらしています。
送金、振込、残高確認など、これまで支店やATMで行っていた手続きは、わざわざ支店に行かずともスマートフォンやタブレットで行えるようになりました。
今後もメガバンクの支店統廃合や大規模な人員削減は一層進んでいくことが考えられます。
↓↓モバイル決済については別の記事でまとめていますので合わせてご参考にしてください↓↓
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