ネットワークエンジニアで、CCNAやCCNPなどのシスコ資格のことを知らない方はいないでしょう。それくらいシスコ資格はネットワーク業界で有名な資格試験です。
CCNAやCCNPは今もネットワークエンジニアとして保有必須の資格なのでしょうか。
先に結論を言うと、ネットワークエンジニアとしてCCNAやCCNPの保有は必須ではないです。
なぜかというと、CCNAやCCNPの市場価値が年々低下しているからです。
今回はシスコの資格について考えたいと思います。
Table of Contents
シスコ資格のトラッキングとレベル
シスコ資格は2018年12月時点で下記のトラッキングがあり、それぞれCCNA、CCNP、CCIEのレベルに分かれています。
・Cloud
・Cyber Ops
・Data Center
・Industrial
・Security
・Service Provider
・Wireless
・アソシエイト(CCNA ◯◯、CCDA)
・プロフェッショナル(CCNP◯◯、CCDP)
・エキスパート(CCIE◯◯、CCDE)
・アーキテクト(CCAr)
*最新の情報はシスコサイトを参考にしてください
https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications.html
シスコ試験の市場価値が落ちている問題
CCNA(Routing and Switching)の難易度は上がっているのに市場価値が下落中
シスコ試験でもっとも取得者が多いのがCCNA Routing and Switchingです。すべてのシスコ試験はここから始まります。
CCNPにチャレンジするにも、他のCloudやSecurityといったトラッキングのCCNA にチャレンジするにもこの資格試験を持っていることが前提となります。
ところで近年このCCNAの難易度はどんどん上がっているのですが、それに反比例して市場価値が落ち込んでいます。
昔からシスコの試験問題は流出している
CCNAの出題範囲は非常に広く、ネットワーク初心者の人がマジメに独学で取得するにはかなりの努力と時間を要します。
それにも関わらず、最近ネットワーク初心者でもこの資格を全員持っている状態です。しかも、業務経験のないのにも関わらず、勉強期間が2〜3週間で合格しているのです。
彼らと会話すると2秒で分かるのですが、CCNA合格レベルの知識はありません。
ではなぜ彼らでも取得できるのでしょうか?
それは会社やセミナーで行き過ぎた資格取得サポートをしているからです。
私はそのような研修を実際に受けた人から講習内容を聞きましたが、テストの問題をそのまま教えているような状態です。
信じられませんが、「このシュミレーション問題が出たら、2を解答しましょう」というレベルで教えているのです。
一部の会社で行われているCCNAを取得させ現場へ放り込むビジネス
昔からクラムメディアなどでそのまま出る問題を買うことができましたが、最近は会社やセミナーでそのような取得サポートをしている現状があります。
一部の悪質な下請けベンダーでは、未経験者や初級者に行き過ぎた資格取得サポートをして、取得したらその資格を武器に出向させてマージンを得るビジネスモデルが確立しています。
資格取得のための研修に当てる時間は短いもので1週間程度しかなく、当たり前ですが彼らは資格を持っているだけでそれに相当する知識は持ち合わせていません。
現場に出て信用価値を落としますので、そのようなことをしている会社は気をつけましょう。
知識のない人でも資格を持っているので、資格の価値は地に落ちました。シスコは昔からこの問題意識を持っていません。あれだけ高い費用を巻き上げているのでもう少し価値のある資格になるように企業努力するべきです。
CCNPの市場価値も下落している!?
最近はCCNAだけではありません。CCNPでも同じように市場価値が下がっています。
実はCCNPでもクラムメディアやヤフオクで問題を購入することによりほぼ100%合格することができてしまいます。
CCNAよりは試験対策が必要となりますが、丸々出題される試験問題が世の中に出回っている時点で価値が落ちているのです。
CCIEの市場価値も下落している!?
困ったことにシスコ資格の市場価値下落の問題はCCIEにも波及しています。インドや中国をはじめアジアの国でCCIEが大量に取得されています。
彼らがどのような勉強をしているか不明ですが、日本でもCCIEの筆記試験だけでなくラボ試験の問題までが市場に出回っています。(CCNAやCCIEに比べ入手ハードルはかなり高いですが)
シスコの試験品質が低い問題
CCNP Routing and SwitchingのTSHOOTのバグを体験
私もシスコ試験を受けた身なので知っていますが、とにかくバグが改修されないまま放置されているものまであります。
特にバグが多いのが「CCNP Routing and SwitchingのTroubleShooting(TSHOOT)」です。
初見では問題を見て何を出題されているか理解ができません。そして試験の合否にも関わってくる致命的なバグがあります。
特別な対策なしに合格するのはかなり難しいといえます。
CCNP Routing and SwitchingのTSHOOTは、ネットワークの技術の勉強をするよりも、独特な試験の操作方法や問題形式の特徴について情報収拾をする方が合格への近道です。
市場価値下落に対するシスコの対応
最近はシスコもようやく重い腰を上げました。新規の問題を次々と追加しており一夜漬けの暗記では受からなくなってきているようです。
CCIE Routing and Switchingの大量取得問題に関しても、日本国内の企業に対して直接クレームを入れたという噂があります。
知識や技術のない人の資格取得が横行すれば資格としての市場価値が落ちるので当たり前の対応でしょう。むしろ試験価値の保全に対して、シスコの対応は遅すぎると言えます。
高額な試験費用という名の「お布施」を個人や企業に払わせているので、もっと真面目に取り組むべきです。
試験費用が高いので受験は会社サポートが前提
シスコの試験はかなり高額です。全て一発で合格することが前提でも、CCNAは約4万円、CCNPは約12万円の受験費用がかかります。
自費で受ける場合は資格の市場価値を調べた上で、費用対効果を考えて本当に受験するか慎重に考えましょう。
それでも会社で費用を補助してくれる場合は受験してもいいでしょう。
会社によっては合格したときの報奨金が出るところがありますので、報奨金をもらうために割り切って受験するのがいいと思います。
ここでは詳しく述べませんが、会社に所属しているサラリーマンの場合、基本的に会社に貢献するのは当たり前として逆に会社を如何に自分のために利用できるかを考えましょう。会社で受験費用のサポートがあるなら、それを利用するのは当然の権利です。
シスコの資格は転職に便利?
ネットワークエンジニアならシスコ試験は転職の武器になる
かく言う私も資格を取った立場です。CCNA,CCNP,CCNA securityを取りました。更新しなかったので全て失効しましたが。
なぜ取ったかと言うと、やはり経験の浅かったときに転職のカードとして使えたからです。会社で問題を教えてくれることはありませんでしたのでマジメに勉強してその結果CCNAを3回も落ちて本当にネットワークに向いてないと落ち込みましたね。
でもマジメに勉強した甲斐があってCCNAの範囲の知識に関しては本当に詳しくなりました。その後CCNPは全て一発で合格したのですが、はっきり言ってCCNAの方が難しかったです。
この意見はマジメに勉強していた人と話すと大抵一致します。本来CCNAって簡単な試験じゃないんですよ。
資格を面接でアピールするときは気をつけよう
CCNAやCCNPをどのように取得したかにもよりますが、基本的に転職の面接ではアピールし過ぎない方が無難です。職務経歴書にサラッと書いておいて、聞かれたら受験した経緯や合格体験談を答えればいいです。
シスコの資格価値が下がっていることはこの業界にいる人たちはみんな気づいていますので、資格をアピールするのではなく職務経歴を中心にアピールポイントを展開しましょう。
もちろんこの意見は経験者の転職についてです。未経験ならアピールしても大丈夫です。むしろ勉強してきたことの証明としては使えます。どうやって勉強したか、どのようなことを知ったか、試験の感想など率直に意見を述べましょう。
まとめ:シスコの試験は持っていなくても全然OK!
私は転職者や出向者の面談をすることがありますが、経験者においてはシスコの資格をもっているかどうかは重要視していません。
持っていなくても、自信を持って職務経歴で証明すればいいのです。
むしろ経験の浅い方がCCNAやCCNPをアピールしてきた場合、いろいろ深掘りして質問してしまうかもしれません。(CCIEは自分が受けたことないので深掘りできませんが…)
私は資格については取得までの過程を重要視するタイプですので、その辺りが正しい証明になっていれば評価は上がります。
ネットワークエンジニアで価値ある資格も変わってきている
ネットワークエンジニアの知識や経験としてこれまでシスコが前提となっていましたが、これからの時代は少しずつ変わっていきます。
オンプレミスで大規模ネットワークをシスコで用意することが少なくなり、クラウド利用やセキュリティ対策にコストをかけるように変化しています。
ネットワークエンジニアがこれから資格取得を目指すなら、シスコの試験だけでなく「セキュリティのCISSP」や「クラウドのAWSやAZURE」などの資格の方が役立つと考えています。
自分のやりたいキャリアを見定めて考えればいいと思います。もちろん資格は何も取らないというのも一つの優れた選択肢です。
漢検や英検と同じで、根本的に資格は提供側が儲けるためのツールで個人的に好きになれませんので、私も資格の勉強するくらいなら自分の生活を楽しみたいと思います。
個人的な意見ですが、資格でしか証明できないキャリアは本物じゃない。
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新しいことを勉強するときに独学から始める方がいます。このやり方は間違っていませんが時間対効果の面で効率があまりよくありません。
ネットワークエンジニアの技術は特殊なので詳しい人に分かりやすく教えてもらう方がはるかに効率がいいのです。義務教育で習った英語を再び勉強し直すのとはとは訳が違います。
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研修内容はCCNAの取得支援も含んでおり、さらに驚いたのは地方から上京する方に対して、2ヶ月間のシェアハウスが賃料無料になる点です。地方から未経験で飛び出して来る方にうってつけのサービスになっています。
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